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第17回「子育てに役立つ心理学」レポート

第17回 「子育てに役立つ心理学」
     もしもわが子が・・・不登校、いじめ、暴力、IT依存の事例を通して

平成27年11月15日(日) 13時半〜16時半 美浜公民館第3会議室
講師:後藤弘美(ゆずり葉代表)

     

参加者総数:39名
内訳:  母33名、 父3名、 支援者3名、 スタッフ5名  
     小学生を持つ親18名、中学生を持つ親23名、高校生を持つ親15名
(複数回答)
     
講義の様子
今回は、4つの架空の事例を挙げ見立てと対応について解説をした。事例の紹介ではスタッフがそれぞれ相談者を演じ、講師がカウンセラーになりやりとりを披露した。
事例の内容は、@不登校、Aいじめ、B家庭内暴力、CIT依存であった。
後半の30分は質疑応答を行った。

事例の紹介
@ 小6女児 A子 不登校
 介護士として勤務する母と二人住まい。小2のときに両親が離婚した。A子は、家庭や学校では明るくひょうきんにふるまい、周囲に気を使って生活していた。仕事に忙しい母に代わり、家事なども手伝っていた。自立心からか母は、近くに住む実母の支援を受け入れられないでいた。そのような生活を続けているうちにストレスがたまり、不登校になった。

A 中2生徒女子 B子 いじめ
 バスケ部に所属するB子は、部員からLINEで悪口のやりとりをされているようだ。そのことに気付いたB子はショックを受け落ち込み、睡眠の乱れがみられるようになった。顧問は「B子しだい」という見方。B子は、活発だが思ったことを口に出すところがあり、いわゆる「KY」だと兄は指摘する。

B 中3生徒男子 C太郎 母親への反発と暴力
 有名私立中学に通うC太郎は、母親への反発から暴力が見られるようになった。朝は、排便をすませシャワーを浴びてから登校するというこだわりをもち、そのために遅刻しそうになると登校しない。両親は不仲で、母親は自分の実家に経済的・心理的に依存している状態。

C 高3生徒男子 D太郎 IT依存 不登校
 両親、弟と4人家族のD太郎は、スマホなどのインターネット機器を四六時中使用し、昼夜逆転状態で不登校。父親は、成果主義のIT企業勤務でD太郎に対しても「大学に受かればいい」という考え。母親は、中学受験を控える二男の世話に追われ、D太郎の生活を把握しきれていない状態。2歳のころから、通信機器の操作を得意としていた。

 以上、4つの事例に対し統合療法で具体的に考察した上で、
・子どもの症状の捉え方
・子どもを取り巻く環境や成育歴からの見立てについて
・状態像の把握
・対応のポイントを具体的に述べた。

またゆずり葉では、統合療法を実施していることで、それぞれの相談者に応じたオーダーメイドのカウンセリング対応をしていることの説明を行った。


質疑応答(時間の関係上、3つの質問を受けた)
1) ADHAと診断されている小学生の息子の対応について
2) スマホを欲しいという小学生の娘への対応について
3) 父親が6歳の息子にスマホで遊ばせているうちに習慣化してしまった。
以上3例について、内容を聴き、対応についての方法を提案した。


主催者の感想                    スタッフ 宝 さち子
 スタッフが相談者を演じ講師がカウンセラーとなり、カウンセリング場面を受講者に見てもらうという形式で行いました。初めての試みでしたが、これまでとは違う講義の見せ方は、受講者のみなさんに興味を持っていただけたようで、感想では好評をいただくことができました。

 主催者としては、カウンセリングを受けた場合はこのようなやりとりがされることを実際にみていただくことで、「カウンセリング」というものを理解してもらうことが目的の一つでした。カウンセラーが相談者に質問することにはすべて意味があることを知っていただき、分析や見立ての方法などをご覧いただけたことで、「心理学」や「カウンセリング」というものを身近に感じていただけたのではないかと思っております。
 
加えて、ゆずり葉では、統合療法によるカウンセリングをしていることも説明しました。統合療法とは、認知(行動)療法・クライアント中心療法・家族療法など、相談者の状態によって心理療法の主だったものを組み合わせたり使い分けたりするものです。それぞれの相談者に応じたオーダーメイドのカウンセリングを行っていることが、受講者のみなさんにわかっていただけたと思います。

さらに、4つの事例を受講者ご自身の問題に当てはめてお考えになった方も多く、そういった点でも相互にわかりやすい講義だったのではないかと思います。
  
 今後も、受講者のみなさんがますます興味をもって受講してくださるような工夫を考えていけたらと思います。ありがとうございました。


17回 アンケート集計結果 回収33

参加者内訳  母33名、父33名、支援者3名、スタッフ5名  計39名
       (小学生を持つ親18名、中学生を持つ親23名、高校生を持つ親15名、・・・複数回答)

1今回の参加は何回目ですか?
  初めて 20    2回目  5    3回目以上  12

2.
 セミナーに参加していかがでしたか?
  リラックスして参加できた          28
  少し緊張して疲れた               5
  その他               1(緊張したが、とてもためになって良かった。)

3.
 本日の内容は参考になりましたか?
 とても参考になった 34   少し参考になった  4   あまりならなかった   0   無回答 

具体的に何が参考になりましたか?
・家庭のバランスがくずれると、子供が亭主役も主婦役もピエロ役もしなくてはいけなくなる。それはとてもスト レスがかかるというところ、身につまされました。

・ITは必ずルールを作らないといけないということ。
・事例を、とりあげられており、具体的にわかった。
・後藤先生の解説も、細かく説明で、よくわかりました。
・時折、先生のエスプリがあり、楽しく学べました。
・中1の子が不登校なので、子どもの症状の捉え方が参考になりました。
・家庭環境など見直してみようと思います。
・事例といくつか重なる部分があり、子供との関わり方について考えさせられました。
・子供の話に耳を傾け、携帯のルールを決めていきたいと思います。
・よくある事例をわかりやすく説明して下さった、そのあとの講義もよかった。
・自分の中の心配感情をコントロールすることが大切だということ。
・先まわりしていろんな言葉をかけてしまうのが、子どもにストレスを与えていたのかなと思いました。
・スマホ、PC等、使い方等、子供に対して、どのように育てていくかを勉強になった。
・勉強や塾よりもまずは健康で生きて行けるようにサポートするのが親の役割というのが一番参考になりました。
・心配症は自分の問題であること、自分の心との対峙が大切・・・など、今起きていることの原因が自分にあるの だな・・・ということに気づきました。
・自分の育ってきた環境が大きく関わっていること、両親のことなど、なかなか根深い問題がある気がします。
・心配性、過干渉な母親であることを自覚できたので、余計なことを言わないよう意識して今日から努力していき ます。私は子どもにストレスを与え続けていました。
・対応のポイントでいくつか当てはまり、はっとさせられた。(とくに心配性に関して)
・カウンセリングの方法を聞いて、受ける時のハードルがなくなりました。
・ITのルールを作る。勉強やおけいこより一人の人間として心身ともに育てる。いい所をさがしてあげる。
・様々な療法を相談内容に応じて組み合わせて使用するという点が参考になりました。
・家族の中でのパワーバランスの例が勉強になりました。
・今の現状はどこから来ているのかが参考になりました。
・後藤先生の話の聞き方、うなずき方、娘と話す時に気をつけようと学べる事が多かったです。
・現状をまとめる(ホワイトボード)書き方も学べました。
・具体的な話をして頂き、とても良く分かりました。
・一見自分とは関係のなさそうな事例の中にも自分にあてはまる所が各事例にある。カウンセリングはオーダーメイドという意味が良く分かる。
・カウンセラーの立場に立っての分析や、カウンセリングのあり方を学ぶことができました。
・親として、大切な事を改めて確認できました。
・自分の中での心配感情を自分の中でどう収めるか・・・というお話。
・対応のポイントなど(ストレス↓エネルギー↑の関わり、期間限定の受け入れとプラン、ルール作り)

4. 模擬カウンセリング形式はわかりやすかったでしょうか?
 とてもわかりやすかった 34      少しわかりやすかった  3   あまりわからなかった 0  
 (具体的にどんなことがわかりやすかったですか?
 ・カウンセリングの様子がわかってよかったです。

 ・一つ一つの事例が具体的で、実際的で、わかりやすかったです。
 ・解決方法などわかりやすい言い方で教えてもらったので勉強になりました。
 ・子供の生まれた時からの成育歴等を記さいする等をして良い所やわるい所等がもう一度発見出来る。
 ・家族を正常な立ち位置に戻すとうまく関係が動き出すこと。
 ・具体例がイメージしやすく、自分にもこういう所があると考えられたので、とてもわかりやすかったです。
 ・どの事例も上手に役を演じていて、おどろいた。とてもわかりやすかったです。
 ・実際に身近に起こり得る事例で、文章で読んだりするだけよりも自分に置きかえられて、大変分かりやすかったで  す。
 ・相談者から必要な情報を聴き取る→分析 という大まかな流れを具体的に示して頂いて分かり易かったです。
 ・クライアントによって話し方や性質が異なっており、そこに対するカウンセラーとしていかにかかわるかという過  程がより分かりやすかったです。
 ・模擬にしてくれた事で内容が具体的で入りやすかった。
 ・同じような状況の部分もあったため。
 ・模擬カウンセリングは初めてでしたが、いろいろな事例を見ながら、我が家に当てはめて考えていました。いろい  ろとそのままにしている課題がある事が分かり、一つでも手をつけていけたらいいと思っています。
 ・偶然とはいえ、事例が我が家と重なっていたのでとても参考になりました。
 ・客観的にカウンセリングを見ることでこの考えはよくないなーとか、自分もこうだったとか、昨年の今頃の自分と  今の自分、価値観や考えが変わってきたと自覚できました。
 ・実際に人が演じると事例がリアルに伝わる。同時に考えることが出来易い。
 4つの事例がある事で、自分のこととしてとり入れやすかった。具体的に考え易かった。4人のお母さま方がリア  ルでした。
 ・事例がいくつかあり、色々なパターンがあってわかりやすい。あるあるとうなづきながら聞きました。
 ・子供の心理状態の説明がわかりやすかったです。
 ・家族関係の理想と現実についてすごく考えさせられました。
 ・「心配」と「過干渉」なるほどと思いました。
 ・事例をまとめて紹介した後の対応も良かったと思いますが、事例1→対応、事例2→対応・・・でも良いかと思い  ました。
 ・具体的なケースを伺い、子供にとってのストレス、課題、対応法など分かりやすかったです。

5. 
本日の感想や今後の要望(自由記述)
 ・はじめてセミナーに参加してみましたが、多くの方が参加されていておどろきました。
 ・スマホは、本当に気をつけないといけないなと思いました。
 ・先生の、まず家族ありき、人としての心身健康的な生活を目指すという姿勢に共感をします。今後も勉強していき  たいと考えています。宜しくお願いします。
 ・初めてだったのですがとても参考になりました。今後も参加したいと思いました。
 ・実際の事例など、すごくわかりやすかったです。
 ・子供が思春期に入り、反抗することも出てきました。私自身、心配性で干渉(しないようにしてるつもりですが)  してしまうので、その対応の仕方にヒントがあり、実践してみようと思いました。
 ・IT関連のルールもわが家ではあいまいな所があるので、きちんと話し合って活字にしてやっていこうと思いました 。
 ・とても充実した内容でとてもよく理解できました。参加して良かったです。次回を楽しみにしています。
 ・会場からの質問へのアドバイス、良かったです。
 ・事例をもとに丁寧に説明していただいて対応のポイント等実践してみたいなと思いました。
 ・子供の観察をして良いところを見つける努力をしようと思います。
 ・忘れてしまっている事や、ルールの見直しを実感しました。
 ・現在の状況が長くなっているので、状況を変えたいと思いつつも、一方では変化したくない自分もいましたが、一  つでも変化させたいとセミナーを受けて思いました。
 ・今後受験生に突入するので、高校の探し方、タイミング、方法などの情報を集められるセミナー(心理学を素人な  がらに学びだしたので、心理学セミナーにも)に参加させて頂ければと思います。
 ・人は忘れてしまう、慣れてしまう。常に子供への関心と思いやりを持ちたい。その機会を与えて下さり感謝致しま  す。
 ・今の生活を改めて見つめ直しました。できている事も沢山ありました!が、少しゆるくなっていることもあるなと  気づきました。今日からできることをやっていきます。仕事にも役立てられます。
 ・模擬カウンセリング形式で、とても分かりやすかったです。

今後の要望
 ・教員への働きかけ(イジメなどが疑われた場合に、いかに教員に働きかけるか、どのように協力していくかなど)
 ・子供のおこずかいについて、金銭感覚をどう養うか?



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